SDGs(エスディージーズ Sustainable Development Goals) の取組みの一つである脱炭素化を目指したエネルギー政策の中で、再生可能エネルギーの導入量を増やすにしても、安定電源も確保しつつ、経済面で競争力を維持し、環境面でも世界に遅れをとらない様にするにはどう舵を切れば良いか非常に難しい課題です。
我々が出来ることは、今気がついたこと、今やれることを地道にコツコツ積み重ねていくことが重要ですね!
2021年11月4日放送
電気料金が全国で値上がり、大手電力は4カ月連続で値上げを発表
全国的に2021年1月の料金と比べ560円~1209円上昇。電力大手10社全てが12月の電気料金を値上げすると一斉に発表した。電気料金が上がり続けている背景の1つに火力発電に使う燃料の争奪戦が世界で起きていることがある。 国際環境経済研究所理事・竹内純子氏によると「東日本大震災前に比べ2割ほど電気料金が上がり、そこからさらに上がっている」
「需給逼迫警報」を発出し「計画停電」が実施される可能性 も!
経産省の見通しによると今冬は、電力の予備率が、過去10年で最も厳しく、北日本、東日本ではほぼ平年並みの寒さだが、西日本、沖縄では平年並みか低い見込み。また今冬はラニーニャ現象が発生する可能性が60%あり、一時的に強い寒気が流れ込み厳しい寒さや大雪になる可能性もあるという。 予備率3%を下回ると、政府が、東日本大震災の時のように「計画停電」を実行する可能性もあるという。
逼迫・電力は”SDGs実現への「成長痛」
国際環境経済研究所理事・竹内純子氏は「電力需要が増える時期に供給が厳しくなるのは、再生可能エネルギー拡大を進める過渡期の中で、原子力や火力発電をどうやりくりしていくか、SDGs社会実現のための成長痛」とコメント。
LNG、石炭の高騰により世界的に電力需給が混乱
経済回復により世界的に電力需要が増加する中で、LNG・天然ガスや石炭等の発電用燃料の供給が不足し、電力需給のひっ迫や燃料価格が高騰。中国やインドは、主要電源である石炭火力の燃料不足により電力需給がひっ迫し、一部地域で計画停電が行われている。 欧州は、天然ガス価格の高騰により卸電力市場が高騰し、小売電気事業者の収益が悪化。コスト上昇分を需要家に転嫁できず、市場から退出せざるを得ない小売電気事業者も生じ、料金値上げの抑制・凍結や、低所得者向けのエネルギー費用補助などの措置を講じる国も増加中。
燃料供給の海外依存率が高い日本は、電力の安定供給及び電気料金に大きな影響がでています。
経済産業省 第39回 電力・ガス基本政策小委員会 2021年10月26日 の資料より
出典
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/040_04_01.pdf
今年度(2021年度)冬季の供給予備率 電力広域的運営推進機関 2021年10月26日
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/040_03_02.pdf
燃料及び電力を取り巻く最近の動向について 資源エネルギー庁 2021年10月26日