世界各地で起きている自然災害の原因とされる地球温暖化の危機に関して、最新の科学予測をまとめた国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書では今後、5000億トンを超えて二酸化炭素(CO2)を排出すると地球の平均気温の上昇が加速し、後戻りできない危険な領域に突入する恐れがあるという。現在、世界全体で排出されているCO2は年間約400億トン。あと12年ほどで危険な領域に達してしまうとのこと。その中で注目を集めているキーワードは以下です。
「グレートリセット(great reset)」
~持続可能な社会の実現のために経済や社会を根本から変えよう~
COP26では、欧米諸国を中心に脱炭素化・CO2削減に向けて野心的な目標を掲げました。目標達成の為には、国・企業・市民が一体となって産業構造や生活様式を転換し、気候の正義を守り取り組んでいく必要があるとしています。
化石燃料は、便利で豊かな暮らしをもたらしましたが、近年の石油・石炭・LNGなどの化石燃料の高騰は、脱炭素化を目指していることが一つの要因であり、脱炭素化が進めば、更に深刻な高騰を招く可能性があるといわれています。その中で、CO2を出さずに経済や社会を成り立たせていく「脱炭素と電力確保」の両立が直近の大きな課題です。今は、まさに社会構造の大転換の時期であり、時代の流れについていかないと置いてけぼりになってしまいます。脱炭素のエネルギーや生活を拡大しながら、新しい事業の発展に伴い、豊かな生活を獲得できる様な社会を目指していきたいところです。専門家は、最悪、今ならば、過去をリセットすることが可能との見解を示しており、一人一人、最低限自分や家族の今&未来を守る為に、気がついた今・気づかされた今 どうすれば良いか真剣に考えるラストチャンスなのかもしれませんね。
今後30年間のCO2排出量 削減対策ランキング「ドローダウン:地球温暖化を逆転させる100の方法」によると今後の世界人口の気候変動により削減が難しい項目も多くありますが、技術の進歩と人や企業の力で出来るモノものも多く存在していますね。
電力や太陽光をはじめとする再生可能エネルギー、リサイクル関係に長年たずさわってきたことから、「理想と現実のギャップ」をどの様にうめていくのか、制度設計や社会の仕組み、技術的な課題・問題点について微力ながらも一緒に考えていきたいと思っています。
排出量 削減対策ランキング 上位20(今後30年間の削減量)
順位 | 項目 | 億t | 順位 | 項目 | 億t |
1位 | 冷媒 | 897 | 21位 | クリーンな調理コンロ | 158 |
2位 | 風力発電(陸上) | 846 | 22位 | 風力発電(洋上) | 140 |
3位 | 食料廃棄の削減 | 705 | 23位 | 農地再生 | 140 |
4位 | 植物生食品を中心とした食生活 | 661 | 24位 | 稲作法の改良 | 113 |
5位 | 熱帯林 | 612 | 25位 | 集光型太陽熱発電 | 109 |
6位 | 女児の教育機会 | 596 | 26位 | 電気自動車 | 108 |
7位 | 家族計画 | 596 | 27位 | 地域冷暖房 | 93 |
8位 | ソーラーファーム(大規模太陽光発電) | 369 | 28位 | 多層的アグロフォレストリー | 92 |
9位 | シルボパスチャー(林間放牧) | 311 | 29位 | 波力と潮力 | 92 |
10位 | 屋上ソーラー | 246 | 30位 | メタンダイジェスター(大型) | 84 |
11位 | 環境再生型農業 | 231 | 31位 | 断熱 | 82 |
12位 | 温帯林 | 226 | 32位 | 船舶 | 78 |
13位 | 泥炭地 | 215 | 33位 | 家庭用LED照明 | 78 |
14位 | 熱帯性の樹木作物 | 201 | 34位 | バイオマス | 75 |
15位 | 植林 | 180 | 35位 | 竹 | 72 |
16位 | 環境保全型農業 | 173 | 36位 | 代替セメント | 66 |
17位 | 間作林 | 172 | 37位 | 大量輸送交通機関 | 65 |
18位 | 地熱 | 166 | 38位 | 森林保護 | 62 |
19位 | 管理放牧 | 163 | 39位 | 先住民による土地管理 | 61 |
20位 | 原子力 | 160 | 40位 | トラック | 61 |
合計 9,555億t
・電力に係わる項目 :2,203億t(約23%)
・輸送に係わる項目 : 312億t(約3%)
・日常生活に係わる項目 :3,866億t(約40%)
・その他(自然等)の項目 :3,174億t(約34%)