自然災害が起ったときに防災アイテムとして最も重要なライフラインのひとつである電気。ネットや店舗で様々な種類の蓄電地(ポータブル電源)が売られていますが、「どんな機能が必要か?」「イザ 使いたいときに使えるのか?」「電気自動車のバックアップ電源として使えないか?」など、どんな蓄電地を選べば良いか迷われている方も多いと思われます。
災害はいつ起るかわかりません。最近は蓄電地の技術も目覚ましく進歩しています。蓄電地を買うタイミングは必要だと気がついた時なのかなと思います。価格も以前に比べ、かなり安くなり、持ち運びが可能なポータブルタイプでも大容量のものがでてくるなど、家庭の災害対策だけでなく、キャンプや催し物、DIYや工事現場等、様々な用途で利用されはじめています。
そんな中、買った後に後悔しないために「蓄電地を選ぶポイント」について、独自の見解で述べたいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
1.出力と容量 2.充電スピード 3.接続ポート数 4.使用出来る温度範囲 5.電力(AC)出力時の波形 6.安全性 7.電池寿命 8.使いやすさ 9.蓄電池の多様な利用目的 10.購入先 11.防災対策として
1.出力と容量
《消費電力・消費電力量》
消費電力は「電気機器を動かすために必要な電気」のことをいいます。消費電力量は「使用した電気の量」のことをいいます。通常、消費電力はW(ワット)、消費電力量は時間あたりの使用量としてWhまたはkwhで表示します。
*1kwh=1000Wh
《電池容量》
蓄電池で使用できる電気の総量。容量は電気機器の定格出力に使用時間を掛けたものです。
例えば110Wの液晶テレビを10時間使うと 110W×10時間(h)=1100Wh となります。
従って、容量が大きなものほど“多く”“長く”電気機器を使用することができますので、電池容量がどれくらいあるかは蓄電池を選ぶうえで最も重要なポイントとなります。
《定格出力・瞬間最大出力・起動電力》
定格出力は「一定の条件下で使用した出力の最大値」のことをいいます。蓄電地の仕様が、定格出力1000Wとあれば、1000Wの電気機器が使えるということになります。定格出力を上回る電気製品は動かすことはできません。
また、電気機器の中には、起動時に定格出力より大きな電力(起動電力)を必要とする製品があり、電気製品に記載されている定格出力より大きな出力が必要となります。(一度動き始めると、通常の消費電力で運転できる様になります)起動電力が大きい電気製品を動かす場合、いくら定格出力や電池容量の大きな蓄電池であっても、電気製品を動かなすことが出来ないので注意が必要です。
「定格出力の方が消費電力より大きい」
「瞬間最大出力の方が起動電力より大きい」
例えば、携帯電話や液晶テレビなどは起動時に大きな電力は必要なく消費電力の1倍で動きますが、洗濯機や電子レンジなどは消費電力の約2倍、エアコンや電気ドリルなどの工具類は消費電力の2.1倍以上の起動電力を必要とします。従って、蓄電池を選ぶ際には「電池容量」はもちろんですが「定格出力」及び「瞬間最大出力」にも注目して、より大きなものを選ぶことが重要です。
災害発生時に最低限の電源を確保する目的であれば、電池容量は、少なくとも1000Wh以上、出来れば2000~3000Wh以上のものを備えておくことをオススメします。
キャンプなどでは小型冷蔵庫や電子レンジ、電気ケトルなどを使うので1000Wh級、仕事で使う場合は、起動時にパワーを使う製品が多いため瞬間最大出力が大きい蓄電地を用意しておきたいところです。
電気機器の特性や温度などの周辺環境の状況により数値が異なりますので、詳しくは使用する機器メーカーにお問い合わせください。
2.充電スピード
蓄電地は充電スピードが早いことも重要だと思います。災害は、いつ起るか判らないですし、電気の供給も不安定になりますので、早く充電でき、大量の電気が貯められるのは重要な要素です。携帯電話などでも電池が無くなった時に、充電に時間がかかるとことや、充電中に電話が使えなかったら、大きなストレスを感じると思います。うっかり充電を忘れてしまった時でも、出発時間までわずかな時間で、急速に充電できることは大きなポイントです。
また、充電中でも電気機器を使用できるかどうか(パススルー機能があるか)もポイントのひとつになると思います。
3.接続ポート数(種類&数)
蓄電池から電気機器に電力を供給するには、電気製品にあった「出力端子」が必要になります。様々な種類で電力を取り出せることで用途が一段と広がります。
●AC(コンセント)
電子レンジ、IHヒーター、扇風機などの一般的な家電製品はAC100Vコンセントに接続して利用します。強いパワーが必要なエアコンや電気工具などを使用したい場合はAC200Vが対応できる蓄電池を選ぶ必要があります。
●USB-A・USB-C
スマホやタブレッドなどを使用する時に使用します。USB-Aは、USB 2.0とUSB 3.0に対応しています。USB 2.0の転送速度は最大480Mbps、USB 3.0の転送速度は5Gbpsとなっています。USB Type-Cは、次世代転送規格USB 3.1に対応し、速度は最大10Gbpsとなっています。このスピードであれば、例えば1GBのデータなら約0.9秒で転送できます。このような大容量のデータを一瞬で送ることができるのが、USB Type-C(※注1参照)です。
●シガーライターソケット充電
自動車の運転席にあるシガーソケットで充電し、直流での電力供給をおこないます。 ポータブル電源 によって、12V/24Vいずれでも充電可能な場合と、12Vのみ対応の場合があります。
●ソーラー充電
ソーラーパネルで太陽光で発電した電気で充電できます。災害時などで停電の際には非常に有難い充電方法となります。
●EV及びEVスタンド充電
今後、脱炭素化社会に向け、電気自動車(EV)の普及が見込まれ、EVの普及と共に、EVの充電スタンドも全国に設置される予定です。EVに直接充電できる蓄電地又はEVの充電スタンドで充電できる蓄電地を車に置いておけば、万が一燃料切れ(電気切れ)になった場合のバックアップ電源として使用することができます。
4.使用出来る温度範囲
温度変化に弱いのがリチウムイオン電池のデメリットといわれています。暑い車内や暖房の効いていない寒い場所にリチウムイオン電池を置いておくと、寿命が短くなり、携帯電話やノートパソコンはうまく起動しない場合があります。また、リチウムイオン電池は寒さにも弱く、極寒の状況では電池が使用できないメーカが多いです。
一般的に売られている蓄電地は使用環境-10℃までのモノが多く見受けられますが、-20℃まで使える蓄電地を選べば寒い時期でも安心して使用出来ると思います。
5.電力(AC)出力時の波形
電気機器を動かすための電気は通常、コンセントから規則正しい波形の交流の電気です。この規則正しい波形の交流の電気の波を「正弦波」または「純正弦波」と呼んでいます。これに対し、あまり綺麗な波を描けず「角(かど)」のある波形を描く電気の波を「矩形波(くけいは)」と呼びます。多くの家電機器は矩形波で動かせないケースも多く、動かせても無理に使用することにより 医療機器や電気製品などを壊してしまう可能性もあります。 安価な蓄電池の中には、矩形波で出力する製品もあるので、「正弦波」または「純正弦波」であることを確認する必要があります。
6.安全性
リチウムイオン電池は、さまざまな用途で使われていますが、過充電・過熱・異常動作、あるいは製造上や取扱いを間違えると発火など起こす可能性があるといわれています。リチウムイオン電池は、携帯電話、ゲーム機、家電製品など我々の身の回りの多種多様な電気機器に使用されています。今後、大量に導入が予定されているハイブリッド車や電気自動車などは、大容量のリチウムイオン電池を使用する見込みです。
その中で、家庭用やポータブル蓄電地も同様、従来の家電製品に比べ大容量化になることにより、今まで以上に安全確保が重要になってきます。バッテリーマネージメントシステム(BMS)は、リチウムイオン電池のパワフルな特性を生かしつつ、パワフルゆえの危険性を回避するためのち密なバッテリー制御システムです。
BMSの主な役割は以下の5つです。
①セルの過充電、過放電防止機能
②セルの過電流防止機能
③セルの温度管理を行う機能
④セル電圧の均等化(セルバランス)を行う機能
⑤電池残量の算出機能
BMSの他にも以下の様な、多くの保護機能を有しているか確認しておくことが重要です。
過電圧保護、過負荷保護、過熱保護、短絡保護、低温保護、低電圧保護、過電流保護
また、一般社団法人防災安全協会が“災害時に必要とされ安全安心と認められる「防災製品等推奨品」の認証を取得していることも、第三者が安全規格をクリアしていることを認めたことになりますので、安全性が高いといった評価のポイントのひとつだと思います。
7.電池寿命
電池は、一般的に携帯電話や電気機器などで皆さんが経験している様に、時間の経過と共に充電しても使える時間が短くなったり、使っていなくても使えなくなったり、液漏れや劣化など予想できないネガティブなことが多く発生します。使い方や充電方法、温度・湿度など多種多様な条件によって寿命を大きく変わり、メーカーの仕様通りにいかず先読みできないのが現状だと思います。
蓄電地の場合、日常的に使用頻度が低いことから劣化に気がつかないことが多く、保証が長くあっても安心を求めて購入するのにイザ使いたいときに使えなかったり、使いたい容量の半分しか使えない様なことになりかねません。従って、災害用に購入したのに、保証が長いからといって安心していたら、イザというときに本来持っている性能を発揮できないのは本末転倒です。携帯電話でも、充電機能に相当ストレスが溜まっても、メーカの保証基準には達せず、電池交換も携帯を数日預けなければならず、結局、新機種に交換したほうが良いといった経験をされた方は多いのではないでしょうか。
災害はいつ起るか判りません。折角、災害用の為に購入したのに、スペック不足や交換している最中に災害がおこったら、泣くに泣けない状態になります。
従って、蓄電地を購入する際には、リスク分散の為にも「必要な時に」「必要なだけ」「必要な時期に」うまく組合わせ活用していくことで賢く使いこなすことができると思います。
8.使いやすさ
蓄電地は、日常頻繁に操作するスマホや電気製品の様に、あまり動かしたり、スイッチを入れたり切ったりすることは少ないと思います。いざ使おうと思った時に、動かし方が判らないと困ってしまいます。停電している時に取扱説明書をみることも難しいですし、何処においてあるか引っ張り出すのも大変です。
従って、極力シンプルに使える方が良いと思います。
また、携帯などと繋げて使用できると、離れたところでも操作ができるので、お年寄りや機器操作が苦手な方でも、別の場所からネットにつないで遠隔操作をしてもらったり、操作方法を教えてもらうことも可能かも知れません。
また、発火等万一の事故が起った場合に、スマホに繋いでおくことで、離れたところにいても早期発見することができ、被害を最小限にすることも可能になるかと思います。
9.蓄電池の多様な利用目的
在宅ワークやワーケーションの定着により、企業は職場がある場所以外で起る災害のことも念頭に考えておかなければならなくってきました。今までは、企業側は、職場近郊の災害状況を把握し、リスク管理してておけばよかったものが、働く場所が多様化することにより、いろいろな場所の情報を入手、管理していかなければならなくなってきています。DX化が進んでいく現在及び未来においては、職場等限られた場所での安全対策だけでなく、リスク対策も小型分散化していく必要があるかと思います。従業員が安心して働ける様に、企業側が率先してBCP対策&福利厚生の一環として「万が一のときに必要な電気」が使える蓄電地を従業員個々に備えておくことが今後必要になってくるかもしれません。
また、在宅ワークやオンライン授業の定着により、家庭内でもリスク分散の為に、1部屋毎、また、1人に1台 蓄電地が必要な時代に変わりつつあるのではないでしょうか。
使用用途や家族構成、ご予算に応じてバッテリー容量を自由に選択できる方がよいと思います。
10.購入先
蓄電地などは電気機器としては、普段あまり使われず、一般的に馴染みがない商品なので、判らないことがあった場合、メーカーに直接問い合せても、電話がなかなか繋がらないなどの問題も多々見受けられることから、ある程度、取扱製品の商品知識があるところから購入された方が、何かと便利かと思います。
11.防災対策として
ポータブル電源は防災アイテムとして有用です。夜間の照明やスマートフォンの充電、TVやノートパソコンの電源、夏場は扇風機、冬場は暖房機器などに電気を供給できるため、災害による停電時でも最低限の電力を確保できます。
内閣府防災担当によれば、災害発生から行政の支援の手が届くまでに約3日は必要であるといっており、災害発生から3日間(72時間)は、自分達(自助)により、飲料水、食料品、日用品の備蓄を推奨しています。
総務省は、災害発生から72時間は「外部からの供給なしで非常用電源を稼働可能とすることが重要」としていますので、一般家庭でも、最初の3日間を生き抜くための最低限の電源の確保は非常に重要だと思います。
EcoFlow社の蓄電地は、蓄電地を選ぶ上で、重要なポイントをクリアするアイテムをいくつも兼ね備えています。そこが当社がオススメする理由です。
●仕様面
「ポータブル(持ち運べる)のに大容量」
「瞬間最大電力が大きい」※1
「純正弦波のAC出力」
「世界トップクラスの急速充電」※2
「用途に合わせ容量のカスタマイズが可能」※3
●機能面
「出力端子が多い(AC、USB-A、USB-C、車のシガーソケット、ソーラーパネル、EV&EVステーション充電、発電機)」 ※5
「スマホでの遠隔操作」米4
●性能面
「使用可能温度が広い(-20℃~40℃)」
「充電中も使用可能なパススルー機能」
「EVに採用されている三元系及びリン酸系リチウムイオン」 ※5
●安全面
「BMS(バッテリ-マネージメントシステム)」
「保護機能の充実(過電圧保護,過負荷保護,過熱保護,短絡保護,低温保護,低電圧保護,過電流保護)」
「防災製品等推奨品」の認証取得 ※5
●便利面
「堅牢で軽量」
「重量バッテリーはカート式」※5
「重くかさ張る充電器が必要ない」※1
EcoFlow社の蓄電地
https://me-grande.com/archives/product
※注1 USB Type-Cのコネクタは上下の区別もありませんので、差し込む方向をミスすることがなくなりました。最大100Wの電力を供給できるようになりました。例えば、モバイルバッテリーや充電器の電力が5W程度ですので、約20倍の電力を供給できます。これまでのUSB規格では、スマートフォンなどの小型機器を充電できる程度でしたが、ノートパソコンや液晶ディスプレイなど、大きな電力を必要とする機器へも電力供給できるようになりました。あくまで規格上共通化できるだけですので、ACアダプタに供給できる電力を生む力がなければ、充電できませんのでご注意ください。Apple製品などに採用されている「Thunderbolt 3」という高速通信規格も利用できるので、Thunderbolt 3に対応したケーブルであれば40Gbpsという高速通信が可能となります。
※1 X-Boost(高出力化)
※2 X-Stream(急速充電テクノロジー)
※3専用エクストラバッテリーの充実(一部機種)
※4スマートフォン及びリモコンによる遠隔操作(一部機種)
※5機種により異なる
※6機種により異なる
出典:地方公共団体における業務継続性確保のための 非常用電源に関する調査結果(総務省HP)
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/assets/301127_houdou_2.pdf
出典:地区防災計画(内閣府HP)
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/chikubousai/pdf/160818.pdf
出典:災害に対するご家庭での備え(首相官邸HP)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
出典:災害に対するご家庭での備え(首相官邸HP)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html