森林の二酸化炭素吸収力
森林は二酸化炭素を吸収し、地上部および地中に貯蔵して地球温暖化防止の役割を果たします。その吸収量は樹種や林齢により異なりますが、例えば50年生スギの人工林面積1ヘクタール当たりの炭素貯蔵量は170トン、1本当たりでは約190kgに達すると試算されています。これを50年で割れば1年間平均で1本当たり約3.8kgの炭素(約14kgの二酸化炭素)を吸収したことになります。人間1人が呼吸により排出する二酸化炭素は年間約320kg、これを吸収するにはスギ約23本が必要といわれています。また、自家用車1台当たりから排出される二酸化炭素は年間約2300kg、この吸収に必要なスギは約160本と試算されています(下図参照)。
人間1人が呼吸するだけでCO2を吸収するのに、スギの木(50年生)23本も必要だとはびっくりです。呼吸するだけで日本の人口約1億2500万人(2021年)として、約29億本の50年スギの木が必要となります。人が生きていく為に排出するCO2はそれだけではありませんので、森林を大切にしつつも、効果的なCO2削減に向けた取組みが必要ですね。
IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書によると、世界全体の森林などが持つ炭素吸収量は、2050年までの期間において化石燃料の燃焼による炭素排出量の10~20%に相当すると予測されています。
https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/ibaraki/knowledge/breathing.html
出典:関東森林管理局 森林の二酸化炭素吸収力